一日一食では栄養学的に体がもたないのではないかと心配する人は多いでしょう。しかし、やってみるとこれがどんなに快適かがわかります。
ヒトの歴史がはじまって以来、現在ほど劣悪な食品毒物をつめこんでいる時代はありません。
急激に増大するガン、自己免疫疾患、成人病などのすべては、動くことを忘れて毒性食品をつめこみすぎた結果、バランスを失った生体の悲痛な反応です。過剰なエネルギーや毒物をなんとかしないと、死へ直進してしまうので、体は無理にでもそれを消費しようと努力します。
限界までくると、ぶどう糖のまま尿中に出します。これが糖尿病です。蛋白質のまま尿中へ出すのが腎炎やネフローゼ、血液まで捨てるのが鼻血、吐血、喀血、痔出血、不正出血です。肝臓病は処理能力のお手あげの表現であり、発熱炎症による処理が、風邪その他の熱性病です。
このように、病的異常とはまさしく、追いつめられた生体の、必死の適応現象なのです。その第一原因が食物です。
どこまで正確に、生体の叫びをききわけられるかが、その人の今後の人生の分かれ道となります。病気が重ければ重いほど、食事の厳格さが要求されます。
ちなみに、癌という字は、口が三つで「品」となり、その下に「山」がありますが、これは品物(食物)を山ほど食べると癌になる、という意味なのかもしれなせん。
玄米と白米では、栄養学的なカロリー計算で差はありませんが、白米ではビタミン、ミネラルの9割以上が消失しているので、完全燃焼ができず焦性ブドウ酸の段階で尿中に排泄されてしまいます。一分子のブドウ糖が36カロリーしかエネルギーを出さないのです。玄米をよく噛んで食べると、完全燃焼して炭酸ガスと水になるまでに、686カロリーも出すそうで、白米の二十数倍にも相当します。
朝は白米のおにぎりや漂白のパンに紅茶。昼は外食のスパゲティとコーヒー。夜は飲み屋の甘い煮っころがしやマグロのぶつ切り、豚肉のしょうが焼きなどをつまみに酒を飲んで終わり、という食生活を続けていては、いつ病気になってもおかしくありません。
身体の異変を感じたら、努力と神経を使って、真剣に対処しなくてはならないほどに、食物の分野は重大です。それを加工食品の毒物入りを、ビタミン類を破壊する電子レンジで安直に調理して済ますのはよくありません。
一物全体、身土不二、陰陽のバランスを保った正しい一食を守り、身体の鍛錬を充分におこなうことは、病気になりにくい身体をつくることになり、この原理はほとんどの難病にも適用されます。